「一見さんお断り」という言葉は京都市内にあるお茶屋さんや、
東京の神楽坂にある料亭でよく用いられる言葉です。

一般的な飲食店の場合、店側が入店客を選ぶということはありませんが、
長い歴史のある老舗だと店側が入店客を選ぶ場合があります。

この「一見さんお断り」とはそういった店の客に対する断り文句であり、
常連客の紹介がないと入店できませんという意味があります。

多くの店で「のれん」に記載するのが暗黙のルールとなっています。

のれんとは店の顔でもあるため、断りをするに至っても
品性を大事にすることが望まれます。

のれんの品性

新しくお断り文句を記載したのれんを作成する場合は、
この品性を大切にしたデザインにすることが大切です。

お茶屋であれば真っ白な麻生地に黒い文字で店の名を記し、
のれんの隅に断りを入れると上品ながらも凛とした姿を演出できます。

飲食店であれば紺・深い緑色が理想的で、真ん中に店名を記して
横に断りを入れましょう。

どちらも個別オーダーとなるので好きな色ののれんを
自由に選べますが、明るい色の生地だと初めて入店した方に対して
断り文句を入れていると申し訳無さが伝わらず、
相手の気分を害する恐れがあるので落ち着いた色を選ぶのが望ましいです。

家紋入りののれんは、2組タイプを選ぶと良い

1990年代後半に戦国武将ブームが訪れました。
この影響で家紋の人気も高まり、飲食店や着物店・和菓子屋など
数多くの商業施設でのれんに家紋を記すところも現れたほどです。

名前と同じく、それぞれ異なっている紋となっており、
のれんに記載する場合は個別オーダーメイドで注文する必要があるアイテムです。

この場合デザインもご自身で用意しなくてはいけませんが、
のれん制作会社によっては紋のデザイン画を用意している場合もあり、
ネット通販で注文をする際は予め用意されているデザイン画から
選んで受注することも可能です。

のれんというと一般的には1枚サイズで2つか3つのスリットを
入れているものになります。

のれんの形状

しかし、このタイプだと紋を入れると、顔となる紋が小さくなるので
おすすめはできません。

堂々とした紋を記載するには2枚組と呼ばれるものを選びましょう。

2枚組とは60~80cmサイズの生地を2組で成り立つもので、
真ん中に文字やイラストを入れた合わせ生地となります。

この合わせた部分に紋を入れれば、来店客が訪れた際に
丁度紋部分で出迎えられるという訳です。

店のシンボルが真ん中に記載されていることで、
来店客を快く迎え入れられることでしょう。